こんにちは。『Smart Educators' 通信』担当の真鍋です。
つくば市の公立小中一貫校、みどりの学園義務教育学校の授業公開に行ってきました。
みどりの学園義務教育学校は、昨年開校したばかりの新しい学校です。
つくばエクスプレスの駅から近く、ここ数年で新しい家がたくさん建っている地区にあり、約1000名の児童生徒が通っています。
群馬県、山梨県など他県からたくさんの先生方が視察にいらっしゃっていました。
先進的なICT教育を進めている学校ですので、昨年は700名が視察にいらっしゃったとか。
はじめに、校長の毛利先生が学校やつくば市で行っている教育についてお話ししてくださいました。
グランドデザインとして挙げている「21世紀型スキル・社会力」「伝える英語教育」
「世界最先端ICT教育」「問題解決STEM教育」「SDGs持続可能社会の実現」
「幼保小中高大連携接続」は、ICTが必要なことばかり。
一斉授業で、黒板とノートの授業も大切だが受け身になってしまう。
一人一人が自分で課題を見つけ、解決していくためにもICTは必要。というお話が印象的でした。
そのあとでいくつか児童生徒によるプレゼンテーションを見せていただきました。
科学部の、スクラッチでプログラミングした環境シミュレーションは、高難度!
魚や水草、卵などをスプライトで作成し、それぞれに細かなプログラミングを設定しているようでした。
※スプライト:プロジェクト内で何らかのアクションを行うオブジェクト
季節、活動の様子、捕食、満腹度など、かなり考えられていてスゴイ!
今回は身近な霞ケ浦の生態で設定してくれましたが、各個体数や冬眠の有無を選択することで、どんな地域でもシミュレーションできるように工夫したそうです。
6年生は、モバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」がカルタを読むプログラムを見せてくれました。
「読む人によってけんかにならないように」と考えられたプログラムだそうです(笑)。
音声速度、枚数を設定できるそうですが、読むプログラムは10分でできたとか!
テキストの読み上げを自然な発音に近づけたり、聞こえない人も楽しめるように
音声に合わせてテキストを一文字ずつ表示するようにしたり、自分たちの気づきで
繰り返し改良をしているそうです。
調べ学習の発表も、プログラミングも、見ている先生方から「これが〇年生の発表?」
「難しそうだけどすごいな」というつぶやきが何度も出るほど。
電子黒板を操作し、自分たちでやってきたことを自分の言葉で発表していて、
ICTやプレゼンテーションに慣れていると感じます。
各教室の授業も見せていただきましたが、先生はもちろん、児童生徒が
慣れた様子で機器を接続、操作しています。
教室内に入り、授業を見せていただいたクラスだけでなく、廊下からのぞいた
どのクラスもデジタル教科書、デバイスを使っていました。
各学年、各教科で活用されていて、視察のために準備されたものではなく、
日常的にICTを使っている様子がよくわかりました。
校長先生の、「自然体でやっている取り組み」というお言葉に納得です!
校内にはアクティブラーニン
グのための円形型テーブルがあるPC教室や、
無線LAN対応のメディアルーム(図書室兼)があり、各教室には65インチの
大型電子黒板が設置されていました。調べ学習、問題解決学習、思考の可視化など、
授業で活用されているそうです。
また、つくば市には独自のeラーニングシステム(1~9年5教科7万問)があり、マルチデバイスで、いつでもどこでも学べる環境を作っているそうです。
環境も実践も先進的なICT活用がうかがえますが、みどりの学園義務教育学校は
「市立」の学校です。
みどりの学園義務教育学校が特別、パイロット校や実証実践校というわけではなく、実践や設備、プランはすべてつくば市の教育方針で、市内の全校でやっているとは驚きです。
今後、一人1台を視野に検証をしていくとのこと。これからますます活用が進んでいきそうです。
すばらしい活用の様子を拝見する機会をくださった毛利校長先生、
つくば市の教育についてご説明いただきました教育委員会中村様、
みどりの学園義務教育学校の先生方、ありがとうございました。
みどりの学園義務教育学校の先進的ICT活用事例については、
学校HPにも掲載されています。
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