こんにちは。トレーナーの石澤です。
11月14日、茨城県立並木中等学校のアクティブ・ラーニング※公開授業を参観してきました。
※アクティブ・ラーニングとは、学修者主体の学習手法の一つであり、学修者が能動的に学修に参加する学習法の総称である。(Wikipediaより)
複数のクラス・授業が公開されていたが、その中から特にICTを中心に行われた以下のクラスを今回は参観しました。
① 4年 数学 ② 2年 理科 ③ 4年 SS生物基礎
これからの教育におけるICT活用の一端を見た思いです。
それぞれ詳しくご紹介します。
① 4年 数学
まずは、「連立不等式の表す領域内にある点Pに対して、x、yで表される式の最大・最小の値を、領域を図示して考察する」という例題を、生徒各自の Chromebook に予めインストールされている GeoGebra※ を使って、視覚的にx、yの価の変化を確認します。
※ GeoGebraとは、関数グラフ、平面幾何、空間図形などが扱え、無料で使えるオンライン数学ツール https://www.geogebra.org/?lang=ja
さらに、GeoGebra の関数を書き換えることで、別の課題もグラフを用いて主体的に考察することができるようになる。
紙の上で式やグラフを用いて課題の価を求めるより、より視覚的・動的に確認することで理解しやすく、違う課題にも応用できるようになるというのがこの授業の狙いです。
②2年 理科
この授業は、実際に観察することができない月の運動と見え方を理解するために、AR技術を利用した教材を使って月の見え方の結果分析や解釈をする思考力や表現力を育て、その結果をグループでシェアし、協力してプレゼンをすることが目的です。
使用するICTは、タブレット端末(iPad)、ロイロノート、「月の満ち欠けAR」。
さらに、博学連携として、茨城自然博物館所蔵の「ダジック・アース※」用いて実際には見ることができない月の裏側の映像も動画として観察します。
※地球や惑星についての科学を楽しんでもらうために、学校や科学館や家庭で、地球や惑星を立体的に表示するプロジェクト https://www.dagik.net/
各自、タブレットとARアプリを使って、自分のアバターが立っている位置から、月の満ち欠けがどのように見えるかを観察し、ロイロノートにまとめます。
そして、それをグループでシェアし、一つのプレゼンにまとめて発表します。
③4年 SS生物基礎
この授業は、ICTの特性を生かして「体液とその働き」についてを反転授業など理解を深めるのが狙いです。
・「Youtube」を使った事前の予習動画閲覧(反転授業) ・「パパパコメント※」を用いた発言 ・ 講義時のデジタル教材の利用 ・「socrative※」アプリでその日の授業内容の小テスト ・「ロイロノート」を使ったその日の感想短文作成と相互添削
※パパパコメントとは、みんながスマホやPCから投稿したメッセージを、リアルタイムにPC画面上に流せるサービス http://papapac.com/ ※socrative:https://socrative.com/
先生からの簡単な質問(例:「この仕組みのことをなんと言いますか?」)に対して、「パパパコメント」を使ってニコニコ動画のように発言を画面に流すことで、生徒の興味をひき、また、一方通行ではないインタラクティブな授業を展開することができます。
これにより、人前で発言することが苦手な生徒や、間違えることに躊躇するような生徒でも発言することができて、とてもいい取組ですね。
注意:生徒は、予め授業前に必要なアプリにログインしておきます。
また、デジタル教材を使うことで、先生が説明している箇所を拡大したり、教科書にはない資料をその場で生徒の Chromebook にシェアすることも可能でした。
その日の授業の最後には、「socrative」を使った小テストや、その日の感想をロイロノートで80字までの短文にし、生徒間で相互添削することで、さらに知識を確認することもできます。
今回の公開授業に参加して強く感じたことは、先生が一方的に話す旧来の紙ベースの授業と比べ、生徒が実際にICTを使って視覚的・感覚的に体験することによって、それぞれの学習がより興味を持って身近なものとして感じられるであろうということです。
また、一方的に先生が話すのではなく、インタラクティブに授業を行うことで生徒の理解度にも格段の差が生じます。
これからの教育は、単に受験のための教育ではなく、実際に視て、感じて、体験することがますます重要になってくるのではないでしょうか。 そのためには今後も積極的に授業にICTを取り入れることがますます大切になってくるのではないかと思います。
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